10月13日 視察報告書を提出してきました。一部を紹介したいと思います。明治大学の中邨先生の講演内容です。基調講演テーマ 「自治体の危機管理 ?公助と自助のはざまで?」
自治体の危機管理において日本特有の難題があり、自治体の危機管理体制をより難しくしている。日本の住民は他国の住民と比較して自助意識が低いことが挙げられる。日本の住民は国政や自治体の政治に対して不信感を持っており、さらに、公務員に対しても強い不満を抱いている。先進工業国家にあっては大変な問題ではないか。しかしながら、公務員のなり手が多いのは幸いである。国家や行政、公務員を信用しなければ将来どうするのかと問うと、他の国では自分自身で行うと回答が多いが、日本では行政がやるべきだと答える。最後は行政が助けてくれると思っているのが日本特有の意識である。しかしながら、危機管理は自助が基本であり、何より大切である。自助意識の低い住民に危機管理をどうように持ってもらうのか、大きな課題である。
自治体の財政が逼迫している状況の中、自治体として危機管理をどのように行っていくのか、費用をかけずに危機管理対策を展開する必要がある。危機管理に従事する自衛隊や警察、消防などの関係者のコミュニケーションを図ったり、広報を通じて自助意識を高める方策をとるべきである。危機に対する「意識」「認識」「知識」「組織」の四識を向上させ、平時から危機に対する準備をしておくことが重要であり、消防庁のe-learningを利用し、危機管理の仕組みを定着させることも検討すべきではないか。
不測の事態が起きると、発生から72時間がきわめて重要である。自治体への情報の遮断や住民への情報伝達手段の欠落など、孤立状態の中で危機管理対策をどのように行っていくのか、行政の人事編成に係わる危機管理体制の構築が必要不可欠である。とのことでした 鎌ケ谷市議会 松沢武人